マニフェスト 西原しげき紹介 8つの約束 一言コラム かわら版 レポート メールマガジン
県会かわら版第33号
静岡空港住民投票否決!
い夏が終わりました。
その暑さの真っ盛りの中、「参議院選挙」そして「知事選挙」とこれからの国と地域の将来を占う大きな選挙がありました。
特に知事選挙では、「静岡空港」について住民投票条例の賛否を含めて大きな争点になりました。
昭和62年に決定し、平成6年度から予算が執行され、すでに1130億円(平成13年度予算を含み全事業費の60%)が投下されている事業に「待った!」がかかったわけです。6月議会では、「最重要案件」として委員会、更に連合審査、各政党・会派ごとに徹夜の議論を繰り返しました。
そこで、かわら版では、特に静岡空港住民投票条例に関して、議会のこれまでの動向について報告します。
県議会での住民投票条例の継続審査
事選挙を控えて、この住民投票条例は空港の賛否をも合わせて「選挙の争点」になっていました。7月6(金)〜8(日)と参考人を招いての審議会が終わっても、尚、結論を出すまでには至らないとして、7月29日に行われる知事選挙後に再度審議を行う事として6月議会では継続とする事になりました。
石川知事の当選を受けての再審議
102万票で当選した石川知事。空港を推進してきた唯一の候補者ですから、それらの事も含めて石川県政への信任が得られたと評価されます。しかし住民投票条例については継続審議となっていましたので、県議会でさっそく審議を再開しました。
8月8日には市町会長と町村会長・町村議会の代表、そして16日には市議会議長の代表が意見を述べました。
特出するところは町村会の代表が「町村会としては、一致して住民投票を拒否する事にした。」との発言です。更に23日には学者による意見陳述が行われました。「静岡空港の是非は住民投票になじまない」と言う意見の方と、「住民投票は実施すべき」という意見の方、計3人の意見陳述と質疑応答が活発になされました。

住民投票条例臨時議会で否決

議会では、9月12日の本会議において住民投票条例を反対多数で否決しました。
知事が賛意を示したにもかかわらず、なぜこの条例は否決されたのでしょうか。

住民投票条例を否決した主な理由
@民投票制度自体がいくつもの問題点があり、現在の自治法では、やりかけた公共事業の中止まで予定していない。
A空港建設は議会の議決を経て一つ一つ順を追って手続きを進めてきており、空港建設の是非はすでに時機を逸している。
B住民投票実施を仮定した場合、市町村の協力(告知・投票・開票)がえられない見込みや、300万県民に「正確な情報提供」が困難である。
C仮に住民投票の結果「中止」となった場合の、地権者など地元民意の無視、新たな利用計画にともなう支出増大、全国の自治体への波及など計り知れない影響が生ずる。
D石川知事が選挙で「空港」を争点にして過半数を得た。
等の理由でした。
採決では、否決されたわけですが、条例を修正して賛成した皆さんの主な意見をも付け加えておきます。

住民投票条例に賛成の理由

@民意は各種調査の結果「住民投票を実施すべき!」である。
A全国的に大型公共事業に対しての世論が変化しているし、住民投票は国内・国際的な流れである。
B空港の工事が始まっているが、最初の頃と状況が違う、遅すぎる事はない。
C沖縄県では、米軍基地縮小問題で住民投票を実施した。情報提供など含めて実施は可能だ。
D石川知事も住民投票に賛成した。

住民投票条例の教訓は生かされるべき!

要な事は「住民投票で皆で決めて」と言う訴えにはわかりやすくて「そうだ!そうだ!」と賛成する人が多く出ます。
しかし問題は、全ての有権者に「判断する内容をどこまで正確に平等に情報提供できるか」と言う事と、全ての有権者が「それらの事を正確に偏見なく評価判断できるか」と言う事が問題となります。
県の事業は、医療や福祉・教育や警察まで非常に広範です。最近の公共工事でも、ガンセンターから沼津駅高架化事業、グランシップやエコパ、園芸博覧会まで空港を含めて1000億以上の事業はたくさんあります。
多くの方は、日々自分の仕事や生活で、一つ一つの政策を判断する時間的・専門的ゆとりがありません。そこで様々な政策は、間接民主主義のもと「議員」を選んで専門的な政策を決定するような仕組みになっています。議会や行政を「信頼」して任せているわけです。したがって、選挙では政策も重要ですが、それ以上に「あの人なら」といった人柄や所属政党・団体が重要な選択の要素になっています。それは「信頼関係」が重要だからです。
今回の住民投票条例の経過を振り返って見ますと、有権者の皆さんと議会・議員との「信頼関係」が薄らいでいる事に猛反省しています。
今後も県政全般について、なるべく情報をわかりやすく提供する努力と、県民の皆さんの意見を聞く謙虚さが、お互いの「信頼」のキャッチボールとなるよう努力していきます。
静岡空港への県民理解を更に!
岡空港については、ここまで県民が心配し支援をしてくれた事業はありません。
不安や疑問は分かり合えるまで説明していく努力が今後も必要です。立派に完成し、静岡県の将来のために役立つよう、これからもあらゆる努力をしていきます。