マニフェスト 西原しげき紹介 8つの約束 一言コラム かわら版 レポート メールマガジン
第13号    ★☆  再び合併を考える  ☆★ 平成14 9月 2日(月)
西原茂樹のメールマガジン =======================================================
            ★☆  再び合併を考える  ☆★
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                       平成14 9月 2日(月)
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昨日の総合防災訓練は圧巻でした。
海上自衛隊の艦船から、大型のホバークラフトが砂浜に乗り上げてきたり、大型ヘリ
コプターが救助にきたり、いざとなったら自衛隊の力が大きいことをまざまざと見せ
られた気がします。


朝のメールで「自衛隊が早く救助に、来てくれるかどうかで被害が変わりそうです
ね」と言ったご意見をいただきました。
また中学生の頼もしさも見ることができました。
もちろん、消防や警察ボランティア団体の皆さんの行動にも真剣さを感じました。


それにしても、御前崎町12区と相良町19区皆さんの参加には、地元の底力を見た
ような気がしました。
御前崎町と相良町の両町主催ですが、合併問題では微妙な関係。
走り回る消防車には「相良浜岡御前崎」の文字が。改めて3町の関係を考えさせられ
ました。


さて、いろいろな方から合併について問い合わせがあります。
専門的なことから、初歩的なことまで。


そこで今回は少しくどくなるかもしれませんが、合併についてもう一度考えてみまし た。


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□私たちの合併


合併についてすでに出ている資料なども参考にしてまとめてみました。
全体的な考え方から、私たちの住んでいる地域のことを踏まえて意見をまとめてみま
した。
西原茂樹


★なぜ合併か!


@ 自治能力の向上  住民と接しているのは市町村です。地方分権で権限や財源が
身近な自治体へ移ります。地域間競争が激化します。
現に、教育関係予算が「国庫補助」から「交付金」に変わろうと検討されています。
今までは、全国どこでも同じ教育ができましたが、これからは地域によって変わるこ
とが考えられます。少人数でも、特色ある教育でも地域にあった教育ができるとき、
地域の教育力や行政能力が試されます。
建築確認や保健行政、環境行政など専門職員が求められます。小さな自治体でそんな
職員が置けるでしょうか。
昭和の合併のときは、中学校を持てる8000人を目標にしました。そして現在でも、全
国に8000人未満の町が約40%もあります。これは変えなければなりません。


A 地方行政の構造改革  どこの世界に50年間同じスタイルでやっているところ
があるでしょうか。企業・社会は大変革をしています。電話、テレビ、車もなかった
時代と、インターネットと各家で車が2台も3台もある時代とが一緒なはずはありま
せん。生活圏は広がり、納税しているところとサービスを受けるところはとても広が
ってきました。垣根がなくなってきたということです。行政規模の拡大は、自治に関
する自己決定という観点から不可避です。


B 社会システムの変化への対応  過疎化は田舎だけの問題ではありません。日本
全体が直面する課題です。「税金を負担する人が減って、税金を使う人が増える」時
代になってきました。競争の時代であるとともに、山村などの過疎地域(重要な水資
源や自然を持っている)をどう救っていくかと言うことも重要です。市町村合併は、
過疎地域の行財政基盤の強化でもあります。


C 情報通信技術の活用  電子政府を目指す国や県の取り組みは市町村合併を促進
します。情報公開と説明責任はこのIT技術で大きく進歩しました。住民参画もこの
技術でどんどん実現できます。更に合併による面積的なデメリットもかなりの部分で
解決ができます。IT技術を十二分に取り入れていくことで市町村合併の効率が上が
ります。


D 合併を通して政治を知る、変える  行政が今まで内部で考えて処理してきたこ
とを積極的に情報開示していく必要があります。今までと同じ手法で合併をしたので
は、自治能力や個人の能力は向上しません。次の戦略的地域づくりを担っていく人材
の養成は難しいでしょう。そのために「数字をわかりやすく」「要望や予算よりも、
今までの決算と評価」をしてみることが重要です。無駄や無理が延長線上でやられて
しまったのでは合併していく意味がありません。
行政・政治の住民参画が合併を通して促進されます。


E 21世紀のまちづくりへの挑戦  順番が後になってしまいましたが、これが重
要です。?とも関連しますが、21世紀のまちづくりは地域の人材や文化、産業や資
源など有機的に連携・活用しながら新しい枠組みのまちづくりを目指す好機です。そ
こでは、関連するプロジェクトやサービス・自然などが新しい枠組みで広域的視点で
検討される必要があります。
それは、自分たちだけではなくて、子供や孫たちの世代まで考えるべきことです。議
論には大人だけでなく、若い人たちの意見を大いに聞いていく必要があります。
「夢」を与えることができる「議論」をすることに躊躇してはいけません。


F 行政改革   いくつかのまちが一緒になれば、経費が削減されます。合併しな
くても経費削減ができますが、更に効率的に削減ができます。町長・議会議員など象
徴的なものもありますが、これは数字ではっきり出てくるはずです。ただ行政サイド
だけで検討すると逆の結果が出ることがあります。住民が現実の行政に目を向けて無
駄や無理を見つける目が必要です。


G 時限問題  合併特例債や交付税の延長などの特例措置は平成16年度末までで
す。片山総務大臣は「延長は無理。」としています。最近では、「16年末で決まっ
ていれば」と少し余裕を持った表現に変えてはいますが、延長はないと見たほうがい
いでしょう。更に、心配は、国の財政状況で、特例措置そのものの絶対的信頼はあり
ません。したがって「特例債があるから箱物を」は後の管理もさることながら、無駄
な投資はやらないほうがいいでしょう。


H その先にあるものは  市町村合併の後には県の合併があるでしょう。愛知県で
は、来年の知事選の公約に現職知事が「道州制」を訴えています。そして、愛知県内
を4つか5つの政令市にしていく構想です。静岡県の石川知事もそのような考え方を
持っています。
「国からはじめるのではできない。地方で、足腰のある自治体を作って県をなくす」
そうすると、今回の市町村合併は、新しい「日本」への序章かもしれません。


★市町村合併は誰のために!


住民のための住民による住民のための合併こそが平成の合併の理念であり、目的です。
住民の合併ですから、合併の議論は住民に開かれたものである必要があります。住民
参画でやっていくわけですから、法定協議会の内容も住民に公表していく必要があり
ます。


長期的な住民の利益を優先しながら合併を現実的なものにしていくために、話し合い
を惜しんではいけないでしょう。またある時点では、首町は「決断」を強いられるこ
ともあるでしょう。それも恐れず遣り通す必要があります。また議会も、正しい情報
と考えを住民に説明して説得することと、ある段階では(首長の決断と前後して)民
意を反映する手段(アンケートとか住民投票も含めて)をきちんと実践する必要もあ
るでしょう。


★合併のメリットとデメリット


メリットはいくつもあげられますが、ここではデメリットを考えてみます。
@役場が遠くなる。
A中心部だけよくなって周辺地域は寂れてしまう。
B住民の声が届きにくくなる。
C地域の歴史や伝統文化が失われないか。
D現在財政がよい自治体にとっては損になる。
Eサービスの水準が低下して負担が重くならないか。


それぞれ検討してみます。
@は一部の業者にとっては不便になるかも知れません。しかし、一般の住民が 今まで
通っていた役場が支所などになってそこで「住民票」や各種申請はできるはずです。
A合併協議会のときにしっかり地域振興構想作っておけば良いでしょう。寂れ ていく
ようなところは今でも寂れているはずです。合併したからよくなると言うものではあ
りません。
B今はしっかり届いていますか。今しっかり届くにはどうしたらいいのか考え ること
です。それが新しい合併後の仕組みに生かされるでしょう。議員の働きや首長行政から
のアイデアも重要です。
C合併後はこれこそが重要です。小学校区やお祭りをやる単位。自主防災など の単位
はこれまで以上に重要です。行政もこれの効率的運営を人的にも支援をするべきです。
D生活圏や通勤圏が一緒ですから、住民にとっては全体としてよくなるはずで す。徳
や損は「もの」です。「心」の満足感を与えられるかどうかが21世紀の課題です。
とは言っても、このあたりは難しいところです。財政格差是正には国で補助が出ます。
Eサービスは高いほうに、負担は低いほうにが原則です。法定協議の中で決着 が付か
ない場合には、しばらく二本立てで行くこともあります。


以上がデメリットについての見解です。解決できないほどの問題はないと思います。


★合併の手順


合併に対する姿勢
住民の利益を第一に考えると、あらゆる情報を公表した上で、住民と行政がオープン
な議論を展開していくことが必要。


合併の相手
選択儀で悩みます。選択儀が多数ある場合には、複数の法定協議会に同時に参加する
こともありえないわけではありません。それぞれの協議を通して、ケースを比較検討
し将来のわが町の発展にどの選択が一番正しいのか住民とともに議論する必要があり
ます。


リーダーシップ
合併で一番重要な役割を果たすのは、廃置分合の議決を有する議会と町民に責任を持
つ町長です。町長や議会が周辺町とどのような信頼関係にあるか重要です。


法定協議会
従来は、「法定協議会の設置は合併が前提」と言う考え方が強かったが、これからは
「合併の是非も含めて合併に関するあらゆる事項を自由闊達に議論する」場というこ
とで考えていくべき。


★最近の合併をめぐる情勢


8月20日以前の内容は私のメールマガジンに記載されていますので参考にしてくだ
さい。http://www.nishihara-shigeki.net/2_mag_vol11.html
8月25日に榛原郡7町(御前崎を除く)の広域合併に関する基本的合意ができたと
新聞発表されました。もちろん、大井川流域は水を通じて一体性があるわけですが、
いきなり7町で合併と言うわけには行かないでしょう。


「できるところが最初に一緒になって、そのあとで」(某町長)と言うように流域の
一体感を現したものです。しかし、金谷と川根3町は島田から「どうするのか!」と
判断を迫られていますし、榛南地域も御前崎町の離脱で多少焦燥感があるところです
から、小さな塊より多少時間はかかっても、もう少し将来構想を示して存在感を示す
狙いもあってのことだと思います。


その後、28日には、相良町・榛原町・吉田町・金谷町・菊川町・小笠町・浜岡町・
御前崎町の議員有志が集まって「牧之原広域合併を考える会」が開催されました。そ
れぞれ思い方は違いますが、広域で!と言う基本姿勢には賛同が示されました。


「議論であってはだめ!行動を!」と言う意見もそのとおりで、この構想が具体的に
進展するかどうかは、「首町」の判断が大きい。
住民は、「大きな構想」にはさして異論はないかもしれない。それよりも、小さな合
併であると「あそことはいやだ!こことはいい!」的な議論に摩り替わってしまう。


たとえば、御前崎中学校と牧之原小中学校の変則を解決してやるとすると「相良と御
前崎」「相良と菊川と榛原」は一緒にくくりたい。榛原と吉田は広域行政をやってい
る。菊川と小笠も広域行政だ。「浜岡も相良・御前崎」と広域行政をやっている。金
谷がちょっとくっつかないが、これで、「水」「空港」「港」「エネルギー」「道路」
など県の大型プロジェクトが有機的につながります。


★政令市の動き


先ほども少し意見を述べたが、愛知県の神田知事は来年の知事選挙に向けて「道州制」
を打ち出した。愛知県を4つくらいの政令市にくくってしまって県をなくして道州制
にしようと言うものだ。
静岡県の石川知事も「県をなくす!」目論見でいる。
政令市を静岡で実現できそうだ。浜松も早晩実現できるだろう。(将来磐南もくっつ
くだろう)


富士山の周辺と伊豆がそれぞれ圏域ができると、残った地域は袋井から掛川〜小笠郡
〜榛原郡〜島田と志太2市2町。これだけの範囲をくっつけると言う暴論を言ってみ
ると、人口規模から高知県ができてしまう。


県知事も、道州制かどうかは確認してないが、川根などの過疎地域を支えながらやっ
ていける単位としては、志太榛原では少し荷が重い。かといって、県政全体で支えて
いくには税の公平感にかける。大井川の水を使っている地域をおってみると見事にこ
の範囲の市町村が収まってくる。
将来構想として「政令県」なのか「広域市町村圏県」かわからないが、この構想は実
現性の高い、そしてぜひ実現していきたい構想である。


★当面の課題


いきなりここまでは行かないと言う過程で、では当座どこと一緒になっておくか。
法定協議会は、最低今年度中に立ち上げていきたいところだろう。だとすると、相良
町が進めている「町民の意見徴集」が試みとして正しい。ただし、できれば「もう少
し正しい判断ができる最低限の資料」が必要だろう。


現在の財政力や行政指標と、ここと合併すればこのようになるとか、県ではいくつか
のパターンを作っているのでそれを簡単に示せばいい。
十分に説明と意見の徴集ができた段階で(この判断は難しいが、あまりこだわらなく
ていいのではないか)議会として判断を出していく。この段階では、相手の町との協
議も進めてあるだろうから「一気に」町長と議会の判断で進めて行ってほしい。
議論に参加できた住民は「決まった枠組みで議論」することにも期待を寄せるはずで
ある。


★住民の意思の表現


アンケートや署名がある。更に団体として「陳情」や「意見書」をあげることもでき
る。合併の協議の際の重要な課題であるので、ぜひ住民の意見は上げておくべきだろ
う。住民大会でマスコミなどへのアピールや周辺の住民への喚起にもなる。
勉強会は欠かせない。町長、議員を招いてしっかりと話をする必要がある。
状況が変化したときも、情報を流していくシステムも必要だ。すべてが新しい合併に
進んでいく必要事項となってくる。



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今週は県庁にいる時間が多そうです。
補正予算とか、9月議会の準備などです。
静岡へおいでの際はお立ち寄りください。


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