マニフェスト 西原しげき紹介 8つの約束 一言コラム かわら版 レポート メールマガジン
第69号  【三位一体改革の正体は!】  平成17年1月31日刊
西原茂樹のメールマガジン=================================================
  
         ★☆ 三位一体改革の正体は! ☆★
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 昨日は節分祭が行われた。
 地元の小さな神社のささやかなお祭りだ。
 年男と年女が22人集まって厄除けをして、まめやおもち・お菓子を集まった方に舞
 台から撒く。
 
 始まって11年になる。
 「舞台から撒くって楽しい!」
 もちろん拾うのも楽しいが、撒く役回りも楽しい。
 
 36年無事過ごせた。
 48年・60年・72年それぞれ生きてここまで来れた。
 いろんなことがあっただろうが、それも人生だ。
 
 「鬼は外!」
 「福は内!」
 大きな声で先導役を果たした72歳の大先輩。
 
 昨日の県民便りで大きく紹介された「スマイル」の代表だ。
 私の妻も48歳で壇上で豆まきをした。
 12歳の元気な子供たちも初舞台だ。
 
 午後2時から始まって直会が終わる4時まで2時間。
 冷え切った境内だったが、ほのぼのと暖かな小さなコミュニティーがあった。
 
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 先日久能山東照宮の石段を登った。
 1159段(いちいちごくろうさん)
 山門にたどり着いたところで下を見た。
 
 年老いたおばあさんが小さな孫と登っていた。
 ほぼ完成した本殿を見学して博物館へ入ろうとしたら先ほどのおばあさんとお孫さん
 がお茶屋さんで休んでいた。
 おいしそうにソフトクリームをほうばっている。
 
 「いくつ?」と聞くと小さな手で「2」と出した。
 白髪の上品そうなおばあさんが横で微笑んでいる。
 あの階段を上がって(2歳だと大変だ)おいしいソフトクリーム。
 
 達成感を持つには良い。
 苦労して、努力して教え込む。
 今の若いお父さんとかお母さんにこんな教育しつけができるだろうか。
 お年よりがこんなところでがんばってくれていてうれしかった。
 
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 ★海岸侵食について考えるシンポジウム開催(再掲)
 天竜川の砂は遠州灘や榛南の海岸まで流れてくる。
 天竜川からの豊かな砂は、右岸左岸に分かれて浜松の中田島砂丘をはじめ浜岡砂丘さ
 らに榛南などの海水浴場を形成してきた。
 しかし近年急激に砂浜が減少し、様々な被害が発生してきた。
 原因は、天竜川に造られたダムによって砂がせき止められたり、海岸線の構造物で砂
 が遮られたためと言われている。
 様々な対策が講じられてきましたが、砂浜の減少はさらに強まる傾向にある。
 そこで、この問題についてそれぞれの地域に住む県民が同じテーブルで意見を出し合
 って現状を理解することが重要だと考えた。
 この趣旨のもと昨年の暮れに、砂浜近隣に住む県議会議員と官民の関係者が準備会を
 発足させた。
 準備会では、県、市町村、商工観光団体、漁業団体、市民NPO団体などとの協力に
 より各地区でシンポジウムを開催することとなった。
 当面、第1回を相良町で2月9日に開催し、今年中に、袋井土木事務所管内と浜松土
 木事務所管内で開催することが決まった。
 シンポジウムのパンフレットは御前崎土木事務所のページから。
 http://doboku.pref.shizuoka.jp/desaki2/omaezaki/mnews/H17-1gatsu/panf.ver1.0.pdf
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 目  次
 □ 三位一体改革の正体!
 □ 浜岡原子力発電所
 □ 埼玉県志木市視察
 
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 〜デイリー「ひとくちコラム」
 http://www.nishihara-shigeki.net/1_colum.html
 ひとくちコラムは毎日更新しています。
 是非ご覧になってご意見をお寄せください。
 静岡県公立高等学校PTA連絡協議会
 http://www.hs-pta-shizuoka.net/report.html
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 □ 三位一体改革の正体!
 
 ★交付金
 
 以前メルマガに書いた。
 「これからは地域のことは地域で決める!それが三位一体だ!」
 税財源の地方への委譲と補助金・地方交付税の削減・廃止が進むはずだった。
 
 ところがふたを開けたらとんでもないことになっていた。
 税財源は移さない。
 しかし補助金は減らさないといけないので「交付金」に変えた。
 
 中央官庁と国会議員が最終段階で知事会に一矢を報いた格好だ。
 交付金と言っても「補助金」が名前を変えてだけとしか思えない。
 中央の金縛りはしばらく続きそうだ。
 
 ★新たな交付金
 
 「保育園の内示がありました!」
 ある自治体のトップが言った。
 交付金が決まったということらしい。
 
 県の担当者はわからない。
 今までの補助金のときとまったく変わらない。
 変わったことは「県が飛ばされた!」と言うことくらいだ。
 
 この「県飛ばし」が交付金の特徴に見えた。
 三位一体を声高に叫んでいた全国知事会を叩こうという意味かもしれない。
 まあ考えようによっては「中2階の県」がなくなったので簡素化されたと考えればい
 いのか。
 
 「せっかく次世代育成支援対策を市町村と連携してやろうとしていた矢先なのに!」
 金の切れ目が縁の切れ目ではないが、県の担当者の残念さが滲み出ていた。
 国と市町村の間で連携役を果たしてきた県の担当としては戸惑いだ。
 
 申請の取りまとめは県がする。
 決めるのは国だ。
 お金は直接市町村へ交付される。
 
 ★減った補助金は交付金に
 
 内閣府が省庁横断的な補助金を作った。810億円だ。
 下水道や農業集落下水道・合併処理浄化槽を一本化した。
 すごいと思って調べたら、全部ではない。裏で金縛り状態だった。
 
 まちづくり交付金は1930億円、道路公園河川の都市再生に使われる。
 地域住宅政策交付金は580億円、公営住宅や居住環境整備に使われる。
 循環型社会形成推進交付金は263億円で、廃棄物処理施設に使われる。
 
 地域介護・福祉空間整備交付金で866億円、いわゆる老人介護施設整備に使われる。
 先の次世代の167億円は、保育園の施設整備に。
 すべて格好良いネーミングの交付金に変わったが、国の関与は残った。
 そして「県の関与」がなくなろうとしている。
 
 ★県と市町
 
 ひょっとすると合併後の国の戦略は「県を合併させる」ことらしい。
 「なくす」と言う表現でもいいかもしれない。
 しっかりした自治体ができれば(少なくても政令市は)県はいらない。
 
 鳥取や高知など政令市より小さい県だ。
 県はもっと大きな組織にすれば良い。
 そして違う役割を果たせば良い。・・・のか?
 
 ここ10日ほどでとんでもない変化にショックを受けている。
 三位一体改革は「財源と補助金と交付税」と同時に「国と県と市町」の三位一体改革
 だ。
 市町自治体の能力を高めて行かないと、この改革に取り残されかねない。
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 □ 浜岡原子力発電所
 
 ★浜岡原子力発電所の耐震裕度向上工事の実施
 http://www.chuden.co.jp/press/saisin2004/fr_bri0128_01.html
 
 1月28日中部電力から浜岡原子力発電所の耐震能力を向上させる工事を実施する旨
 の発表があった。
 「耐震裕度向上工事」余裕度を上げるという意味だが、なんとも意味ありげな言葉だ。
 表現が不適切かもしれないが、苦心して考えた言葉だろう。
 
 私もメルマガ67号と68号で取り上げた。
 http://www.nishihara-shigeki.net/2_mag.html
 確率論で少しでも可能性が高いことが心配されてきた。
 国ではまだまだ方向が見えない。
 だから先取りで中部電力がその心配を減少させる。
 
 大いに結構だ。
 少しでも心配なら(私たちも含めて)やってほしい。
 国の判断を待っていなくてもいい。
 
 中越地震に続くスマトラ沖の津波。
 あんな大きな地震や津波が来たら!
 みんな心配している。
 
 とにかく耐震の余裕を挙げることは大賛成だ。
 1号機と2号機は平成20年春まで運転は休止する。
 心配の種は極力取り払ってほしい。
 今回の中部電力の措置は評価される。
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 □ 埼玉県志木市視察
 
 埼玉県志木市を調査した。
 全国的にブレイクしている自治体のひとつだ。
 午前中は早めに着いたので市内を見て回る。
 
 新座市と東武東上線の志木駅の表と裏の入り口を分ける。
 駅前商店街は新座が勝っている。
 隣の朝霞市と和光市で合併する予定だったが、住民投票でつぶれた。
 
 和光市にホンダの本社が来た。
 他は僅差で合併賛成だったが、和光市の70%が反対して終わった。
 志木市の市役所は綾瀬川の中洲にある。
 
 市役所に入る。
 入り口には3人の行政パートナーが。
 「かけはし」と言うNPO団体だと言う。
 「静岡県議会の方ですね!」
 
 びっくりすると案内板に今日の視察団体名が記入されていた。
 4団体がある。
 丁寧に案内してくれた。
 
 いろいろ聞きたいこともあったが、後ろで待っている市民がいるのでやめた。
 離れて見ていたが、てきぱきと、そして丁寧に応対してくれる様子が見て取れた。
 
 後で聞くと、皆さん企業定年退職後の意欲的な皆さんだった。
 ★穂坂市長面談
 
 「経済は変わった。国も変わってきた。なのに地方財政が変わっていない。護送船団
 方式だ!これを変えないとだめだ!」
 顔立ちは、エネルギッシュとは見えないが(失礼)出てくる言葉からはエネルギーが
 ほとばしる。
 
 まだ一期目だが(今年改選)この4年で志木市を一気に自治体の模範にした。
 25人学級・ホームスタディー・ホームスクールといった教育改革。
 教育委員会を廃止するといって特区申請までした。
 
 彼は市議会議員から県議会議員議長まで経験した。
 普通そんな大物になればあまり改革はしない。
 ところが市長になって大ブレークした。
 ★行政パートナー
 
 市の政策・予算は市民委員会を作って(公募で誰でもなれる)そこで練る。
 もちろん役所の担当が作るが、市民の代表も作る。
 議会も作る(制度上はそうなっているが作っていないという)
 情報は、すべて公開される。
 
 視察の第一目的は「行政パートナー制度」だった。
 市長の公約は「20年で市役所の職員600人を300人にする」だった。
 退職で減った職員の補充を、時給700円の有給ボランティアに置き換えるというの
 だ。
 
 それも業務ごとに(専門性で)有給ボランティアさんでNPOを作って。
 すでに、受付業務、公民館などが行政パートナーへ委託されている。
 来年度からは、市の広報誌の製作も行政パートナーへ委託される。
 
 行政パートナー制度の設置目的を保坂市長はこう語る。
 「役所・行政は市民と乖離している。市民が中に入って改善するのが一番。そして
 ローコスト。大学卒が一生もらう市職員の生涯給与は3億2千万円、大企業でも2億
 5千万、中小企業は1億8千万、高すぎます。行政パートナーなら6千万ぐらいです
 みますよ。」
 
 さらに「市民が参加するということは元気な町づくりの原点です」
 一石三鳥というわけだ。
 市長はこの制度を全職員にわかってもらうのに週一回ウイークリー講座をやる。
 
 20人に2時間の講座を30回で600人に伝わる。
 「職員にとってこれがプラスになる!」
 手をコまねていたら自治体も倒産だ。困るのは職員だ。
 
 ★法律は変えられる!
 
 市長は国に構造改革特区を30申請した。
 そのうち6つが認められた。
 その意気込みだ。
 
 「行政内部に市民が入るとムダ・ムリが見える!改善提案ができる。そして時間がな
 いから走りながら考え行動する」
 「元気なお年寄りには手伝ってほしい。生活を支えなければならない人は他で。」
 
 「法律は変えられるんだ!」
 
 職員が持ってくる課題に「やるのにはどうすればいいんだ?」と問い返す。
 難しい課題をどんどん出すから職員も成長する。
 後でレクチャーを受けた職員のレベルには驚いた。
 
 こんな政策を出す後ろにはどこかのシンクタンクがあるかも?
 そう思っていたが、すべて職員の仕事だった。
 その職員が全国の講演会に派遣されている。
 
 穂坂市長は1時間、熱い思いを淡々と話してくれた。
 「市長は4年やれば十分!後はボランティアをやるよ!」
 すでに、市議・県議・県議会議長をやってきた。
 
 実力と貫禄を備えると成長は止まると思っていた。
 しかし市長には止まるような様子はない。
 エネルギーがみなぎっていた。
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 いよいよ予算編成作業も最終段階。
 今日は最後の財政との攻防で、あさって知事から回答がある。
 それを持って自民党と財政の予算折衝は終わり、2月末からの議会を待つことになる。
 
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 今月の予定をいくつか紹介する。
 2日午後から静岡市商工会議所5階会議室で空港シンポジウムが開催される。
 県議会の空港促進議員連盟(自民・公明・KENMIN)の主催だ。是非聴講を。
 
 7日には御前崎へ松崎の皆さんがやってくる。
 恒例の伊豆と御前崎高速航路実現への交流会である。
 皆さんとの再会が楽しみだ。
 
 9日には冒頭で掲載してある砂浜シンポジウムが相良町町民センターで開催される。
 午後1時からだが、シンポジウムのコーディネーターを私が務める。
 是非ご来場してください。
 
 11日には蛭ケ谷の田遊び、12・13日には御榊神事がある。
 どちらも極寒時の相良町の伝統行事である。
 
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 菅山小学校では学級閉鎖だと昨日聞いた。
 風邪がはやっている。気をつけましょう。
              牧之原市堀野新田20−1
              0548-58-0772  FAX58-1655
              [e-mail] nishiha@po.across.or.jp
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              静岡県議会 自民党役員室 054-221-2308