初等中等教育局教育企画課長 辰野裕一 氏 講話 9月28日

     伊東市で開催された全国高等学校PTA連合会 において

 

    静岡県公立高等学校PTA連絡協議会会長  西原茂樹

辰野氏は、北海道生まれ
「全国大会を旭川でやったということだが、私は旭川生まれ。呼んでくれれば!」と気さくなかただ。ラーメンには文部科学省でもうるさ型とか。
国旗国家でゆれて校長が自殺した瀬良高校は広島県だが、平成10年から3年間、その広島県の教育長をやった。


広島で「各学校において何が行われ、親は何を考えているか、公教育として中立に考えていこう」を実践した。


今一番重要なことは
「教育改革と評価・公開です。」ゆっくりと繰り返す。


まず、教育改革について話す。
教育改革は、今に始まったことではない。
明治・大正・昭和、常に「今は過渡期!もっと良い教育を!」と言ってきた。
だから常にベストはない。


最近では昭和60年前後から臨時教育審議会が言っている。この20年らい改革改革と叫び続けてきた。
「議論より、実になることをやろう!」と辰野課長たちは行動してきた。


では何か!
「原点回帰」だという。
・ 200年前に初めてフランス革命後に学校ができた。それまで近代的学校はない。家庭や地域が学びの場だった。学校と家庭と地域がそれぞれ機能するようにする。あまりにも今すべて、学校へ負担がかかりすぎている。
過剰の期待が学校にかかっているが、少し地域と家庭が負担をする必要がある。週学校5日制は大きなきっかけとなる。
・ 学校の役割は「学力をつけること」これが原点だ。学校はこれだということを強く認識する。
・ 高校は、自己教育の場だ。自分が高める努力をする。学校や先生は「かかわって」学力の向上を促進する。誰もやって句はくれない、これは当たり前だ。


学習指導要領について
これは国の基準だが、いきなり学校の基準でもある。
しかしこれを変えたのでいろいろなことができる。


まず誤解されている「基礎基本の徹底」
昭和50年代に「ゆとりと充実」が言われた。考えてみると、昭和40年代は学年の最後で教科書の最後まで行かなかった。少し詰め込みすぎた。いくら詰め込んでも覚えないのに詰め込みすぎたから、「ゆとり」を出したら、これだけが一人歩きをしてしまった。「充実」が抜け落ちた。
そして、この「ゆとり」と「5日制」が一緒になってしまった。


意味が違う。
学習指導要領で、基礎基本の徹底を謳ったのは、学習を減らしたのではない。
学校の裁量や自由度を広げようとした。基礎基本は、最低限で、規制緩和をしていろんなことができるようにした。


誤解されているから、大臣に「学びの進め」を出してもらった。マスコミや一部の批判家は「ゆとりから学力重視に文部科学省は変わった」というが、おかしな形で伝わっている。
今までとなんら文部科学省はぶれていない。補習や・宿題は当たり前のこと、「学びの進め」は当たり前のこと。何で当たり前のことを言ったのに「変わった」なんていうのだろうか。
誤解が蔓延している。


次に重要なことは、「評価」と「公開」だ。
学校の教育システムが大きく変わった。
平成14年から、この「評価と公開」が各学校の責務として位置づけられた。
「開かれた・・・」「・・・・との連携」
今までの学校は、開かれていない。
外とずれがある。
はたから見ているとおかしい。


中途半端な形ではなくて、法的に、設置基準として「自己点検自己評価して公開」「得られた情報を保護者に提供」が省令として出された。これは法令上の義務事項だ。
年度末に学校は出さなければならない。


説明責任(アカウンタビリティー)が求められる。なぜか、それは税金を使っているから。納税者は知る権利がある。公的セクターは、それに応える義務がある。
学校が自らの責任を果たして情報を出していく。先ほどあったように学校には「権限(裁量が増える)」が付託されるが、その分、責任が発生する。これは説明をしなければいけない。
うちの学校は「何をやるのか」
そういった意味で平成14年度は節目の年である。


結論を言うと
「開くことによって、学校は変わる!」これに尽きる。
公開が、物事を進める。
世間が見ている。
外に通じないものはやらない。
公開は力だ。


だからこそ外は黙っていてもらっては困る。
特にPTAは学校に求めてほしい。
評価と公開を活用するのはPTAだ。


「5日制は?」「学力は?」「生徒指導は?」
学校に乗り込んできて声を上げてほしい。


学校の先生も今まで言わないのがいけない。
5日制や学力や先生が現場で応えていない。一緒に「批判」をしている。
5日制になっても「学力は大丈夫ですよ」と言えばいい。
そして「宿題や補習は大切です」と言えばいい。
さらに「基礎基本、反復練習は大切です」と言えばいい。学校の、教室の現場の先生が言っていないんです。


学校の成果・評価について、先生は「学力などというものはすぐには評価できない。長い年月成長してみて・・・」という。とんでもない。
成果はすぐわかる。
保護者や生徒が「満足感があるか、しっかり先生がやってくれていると感じているか。先生に対して信頼感や満足感を持っているか。」ということだ。これが評価だ。


くどくなるが、PTAが乗り込んでいって声を上げてほしい。泣き寝入りをしないでほしい。あんまり学校がいい顔をしないようならこういってやりなさい。
「学校の設置基準にあるはずですよ!」


具体的な成果は「草の根改革」です。
現場からアウトプットしても、今までは文部科学省まで届かなかった。
文部科学省にインプットしてほしい。現場の検証が今までできていなかった。
学校現場を良く知っているPTAがつなぎ役。ポイントはPTAです。


歯切れよく30分間放し終えるといくつかの質問にも答えてくれた。