マニフェスト 西原しげき紹介 8つの約束 一言コラム かわら版 レポート メールマガジン

 

平成15年度静岡県議会新エネルギーと
福祉海外事情調査(速報)

11月14日(パリ視察最終日)
 
毎朝どんより曇っている。
今日は午前中、目の前にあるルーブル美術館を急ぎ足で回る。
せっかくパリに来ているのにせめてここだけは見ておきたい。
すでに過去に来ている団員もいるが、専門のガイドさんに案内をしてもらって10点ほどの展示品の説明を聞いた。


午後は、パリ近郊のヴァルドワーズ県を訪問する。
ポプラとマロニエの紅葉がきれいな大学のキャンパスと言った雰囲気の庁舎だ。
待っている間にお茶とケーキが出される。
どれもとってもおいしい。さすがフランス。



フランスでは県の仕事のほとんどが社会福祉。
説明をしてくれたのは社会福祉問題副本部長はじめ乳幼児保護課長さんなど女性4人。
110万人の県の子どもと家族のことを真剣に説明してくれる。
とにかく若い人が多い県らしい。
この県は、25才以下が36%を締めている若い県。出生率は上がっている。それは若い人が多いから。分かりやすい。

乳幼児保護対策
ドゴールが1945年に作った政策。当初は出生率向上のためだったが、50年たったので、乳幼児保護政策に転換してきた。出産後の検査チェック機能も整備してきた。

子どもが生まれてから28日間が重要。法規制がある。
県内に80ヶ所の検診センターがある。そこに従事している人は400人。
メンバーは医者・看護婦・心理学・助産婦・夫婦問題アドバイザーなどなど。
1999年に法制化したPMI法(母親と乳幼児保護法)
各県は母子の監督義務と子どもの家族計画に関する義務がある。
県としては法律移譲のことをしなければならない。
県は無料でこのようなサービスを提供しなければならないが、県民が検診に良く義務はない。妊婦や乳幼児の保護予防のためである。問題が起こって病院肉場合は有料となる。それは家族保護のほうではなくて社会保障の問題で解決できる。

母子保護政策は、出産条件をよくすること。妊娠期間から出産そして子どもが6歳になるまで行政が支援していく


・ 妊娠がわかったら妊娠届。2002年に15150の届出。
義務ではないので、センターで検査したのは10%。
法律では、妊娠期間中、7回医者の検査をしなければならない。県のセンターでは2、7回。途中から産院へ行くので。助産婦もいて生まれてくるための準備を手伝う。

・ 子どもが6歳になるまでの保護をする。
20回の医療検診をしなければならない。
幼児保護のため健康で育っているか検診で調べる。障害のある場合早めに見つけることができる。
ワクチンも義務と任意の両方やる。
子どもの育て方(食事や乳児扱い)のアドバイス。
幼稚園にあがる4歳のとき総合チェック。医療検査で聴覚・視覚・言語能力も調べる。

・ 家族計画
若い人に対して、妊娠や、避妊。性病などに付いて説明をする。未成年に付いてはただで避妊具を配付する。日本の中学3年でセックスに対する情報を集団で与える。

・ 問題家族
2002年には1000家族を訪問。ソーシャルワーカーと話をした。
家族の絆が希薄になってきた。世代世代が離れてきた。
今の若い親はアドバイスを必要としている。子どもの教育のことなど若い親が求めるようになってきた。

虐待もある。
虐待に対する支援課がある。
予算は150万ユーロ。(人件費を除く)

親が仕事をしている間の託児所の要望が増えている。
法律では、県は託児所を監督する義務がある。託児所の安全衛生チェックや開設後のフォローがある。
県内には210の託児所がある。
託児所は、3歳までで後は幼稚園に行く。預ける時間は通常、7時から夜の7時まで。
もちろんもっと早くから、そして遅くまでもある。
集団託児所と家族保育師制度がある。個人保育師は保育師が自宅で預かる。これも3歳まで。県がチェックする。子どもの教育のにためと言うことで要望が多い。
210の施設で10,000人を預かる。数が足りない状況である。これは県にとって大きな問題である。そこで3年前から施設整備を強化してきた。
市町村レベルでクレッシュ(託児所)を作るよう要請している。

クレッシュ建設に一人当たり23,000ユーロもかかる。
90%まで県と家族手当金庫から支援費が出る。
建設は市町村。社会福祉法人でもできる。
運営にも県と金庫からお金が出る。

今新しいクレッシュを作っている。
45人収容で、365日1年中子どもを預かる。
障害児を預かる施設もある。

認可保育師制度
両親に雇われて子どもを預かる。議長が認可する。
県内に7000人いて一人が2〜3人の子どもを見る。
このやり方はとても良い。農村部で点在するところでは、託児所はコストがかかりすぎる。
認可保育師制度も県でチェックしていてきちんと監督がされている。
ここへも全国家族手当金庫から、家族に対して援助金が出ている。
1日あたり2〜22ユーロ。所得によって大きく異なるが結構高い。
コストは90ユーロです。残りは公共サービスからまかなわれている。
2003年フランスは「企業保育所と民営保育所を増やそう」方針にした。
民営保育所の1号として県の職員の保育所を作ろうとしている。
面積は一人あたり8〜10m2。人員は、歩かない子ども5人に一人、歩く子ども8人に一人の先生が必要。
クレシュの園長は、乳幼児専門の看護婦か小さな教育専門士。
認可保育師は自由業と言う職業分類。

子どもの保護の中で虐待は県の権限。(県議会と訳したが)
家族政策の補完事業である。
子どもを親から離さなければいけないと判断された数は2000人で、これが保護されている。
支援は、自宅に専門家が行く。両親が育てられないとわかった場合、子どもの家に行くか、里親に行く。
県としてはこの予算に、6,200万ユーロを使う。
社会保障費全体では10億ユーロで県の予算の約40%フランスの平均。

この保育ママは、一人で3人くらいの幼児を預かります。
両親に雇われるわけですが、両親には所得に応じて補助金が出ます。
母子保護では、妊娠からの医療検診、6歳までも医療検診が義務付けたれています。家族計画も避妊などの情報提供を積極的に青少年対象にやっています。家族の絆が減ってきたこともあって親の子育てアドバイスも力を入れています。



その後は、近くの保育園を見学しました。
市長さんも駆けつけてくれて中を詳細に見学させてもらいました。
子どもたちの遊ぶ姿がなんと言えずかわいいです。

ホテル到着は6時半。その後夕食。
パリ最後の夜は、セーヌ川のナイトクルーズへ。
川沿いの歴史的建造物がライトアップされている様は圧巻だ。
エッフェル塔も点滅照明がされていて気持ちも高揚する。