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平成15年度静岡県議会新エネルギーと
福祉海外事情調査(速報)

11月17日
 
太陽の都市エシハ
なんとなく旅情と歴史を感じさせる町だ。
セビリアから高速をバスで約1時間半でエシハにつく。
街道はずっとひまわりや小麦、オリーブの収穫をする畑が続く。

助役のホワンさんが京都議定書の話しを出して話し出したので、あらためて私達の視察の意義を問い直す。
「京都議定書の達成はなかなか難しい。しかし太陽光、太陽熱、風力やバイオマスで他地域と協力してプロジェクトを成功させたい!」と決意とわれわれとの友好を願って退席する。
続いてエネルギー局のコーディネーターが説明する。
明日の経済省のエネルギー担当のカルメンさんから詳しく聞いて!と言われたように、エシハだけの問題ではなくて、環境問題はEC域内での全体の取り組みの一環として捉えるべきだ。

その中でここのプロジェクトである「太陽都市エシハプロジェクト」は何に重点が置かれているか、そして地域としての取り組みの現状がどうなっているかを調べることにする。
EUでの新しい取り組みの目標が2006年に定まったことを受けて、EUとの格差是正が最重要課題と見受けられる。消費が伸びていることと、環境汚染・負荷が増大していることが上げられる。

目標は自然エネルギーの活用、廃棄物の再利用、太陽光の活用、省エネルギーとなる。
このことを進めることによって、雇用の拡大、環境保護、社会貢献政策、産業・工業活動の向上、省エネルギー・効率化が図れることになる。
EUのエネルギー政策の元で、推進していく。15カ国がこれによって、12%を再生可能エネルギーでまかなう。
これらの事業を公共で、民間で推進してもらう。アシスタントするのが市役所となる。


これは周辺の市町村を含めた計画で最終的には、全体の87.5%を再生可能エネルギーでまかなう予定。ただしバイオマス発電を始めほとんどはまだ数年かかる。
できているのは「スペインで始めての太陽光発電施設!」というのにはびっくり。
ドイツに比べて優れていることを説明してくれるが、要は「太陽の光に恵まれていること」だ。ドイツは恵まれていないがゆえに、僅かな光を何とか利用しようと努力する。
しかしスペインは太陽がいっぱい。直接、太陽の恵みをもらって農作物や自然を満喫している。しかし、ここで太陽光をうまく使えば、確かにすばらしいエネルギー効率がいい地域となる。
今は、一般住民への啓発普及という段階だが、設置アンケートでも大変人気がある。
「インターネットで、TERESと検索してみてください。新エネルギーで雇用拡大が進むと出ています。この計画を進めていって、エシハで8社の太陽熱温水器の設置業者ができた。コンサルタンツ活動も始まった。政策としても評価でき期待できる」
あとで市の体育館の屋上に設置された温水器と太陽光発電の施設を見学した。
日本でいえば、5年以上前の(表現が適切でないが)状況だ。
機器だけ見れば参考にならない。
しかし、このスペインの地方都市に4200万人の国内の問題ではなくて、EU全体での取り組みがドラスティックに進んでいることが驚きであった。
イタリア、スペイン、ポルトガル三国で進んでいるレオナルドダビンチ計画は興味深い。電力でクリーンエネルギー市場を作っていこうと言うものだ。
どの程度のエネルギーバランスがこの地域にあるのかは調べてないが、フランスの原発推進政策、ドイツなどの脱原発政策の将来展望など同じEU域内でのエネルギー戦略が知りたい。