マニフェスト 西原しげき紹介 8つの約束 一言コラム かわら版 レポート メールマガジン

 

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静岡県・浙江省友好提携20周年記念
第4回静岡県チャーター便中国訪問団Vol.3

平成14年10月26日

県議会議員 西原しげき

今日は、青島に移動する。
到着時には夜でよく見なかった杭州蕭山空港は新装なったばかりですばらしい。
ここと静岡空港が早期に結べるよう期待する。
1時間半のフライトで青島へ着く。空港へ降り立つと「ブルッ!」と来る。寒い。

目的は青島港の視察。

メンバーの中に清水の議員が2人いる。先週清水市の一行が姉妹港である青島を訪問したと言うことで今回の視察行程に入れることになった。
青島港務局の王副局長に話しを伺う。
ビデオの説明がとても分かりやすい。
概要は以下だ。

2001年の実績が1億398万トン。黄河流域で最大の港。
港は、コンテナ、石油、鉱石、石炭が主流。
@ コンテナでは、260万TEU(注)。中国第3位。世界でも20位で、毎年30パーセントの成長をしている。
A 石油は、30万トンタンカーが入港できる。160万?のタンクがある。時間1万?の原油積み卸し能力がある。水路や鉄道や道路パイプラインもある。
B 石炭は、時間9000トンの能力があるマイナス14m岸壁が2バースある。10万トンも大丈夫だ。
C 鉱石もマイナス21メートルの岸壁があり30万トンも大丈夫。10万トン、20万トンと二つある。1昼夜で7000トンの鉱石を積み卸しできる。
D コンテナは飛躍的に伸びている。マイナス16.5m岸壁で、最近の8000〜10000TEUのコンテナ船にも対応できる。最大65トンのアウトリガーガントリークレーンが設置された。EDIセンターも持っている。
ビデオは軽快に青島港の現況を説明する。
「ユーザーが中心。すべてはユーザーが中心です。」これが何度も繰り返される。
「荷主がご満足できるように、低価格、24時間サービス、品質、価格、・・・・・」
積み下ろしまで「ブランド」と言い切る。
水先人を送る船も高速船にしたということも宣伝している。
具体的に、20万トンの鉱石運搬船が入港できるようになって「冶金工場で1億2000ドル節約できた」として、石油、石炭、鉱石などのほか、化学工業や食料、鉄鋼アルミ関連にも適している事をPRする。
税関を始めとしたサービスステーションの充実や、貨物の内陸部対応も高い評価を受けている。さらに国家レベルでの応援があると言う。
EDIネットワークシステムは充実され「億トン港」として飛躍していくと結ぶ。

世界の450港と結び、毎月300隻の入港がある。
港の整備には、20社の合作会社や投資がある。
「人民に奉仕、従業員に幸せをもたらす!」がスローガンのようだ。
このあたりから共産党の宣伝ぽく聞こえてくる。
「改革開放で!上と下が力を合わせる。」
「この数十年一人も解雇していない。学校もある」
「就業員の暮らしの質も上がっている。暮らしに使う金も、家もある」
「給料も対前年度比30.3%UP!」
このあたりを聞いていると、大昔の労働組合の賃上げや労働条件闘争の時代の日本を思い浮かべる。バブルの前、高度経済成長といわれた時代だ。
「2010年には2億トンを越えるだろう!」と高らかに謳って説明は終わった。
清水市の二人から質問が出る。
1984年に当時の稲名市長が交流をしたいと青島にきた。
青島港としての最初の友好港は清水港だが、現在では8港に増えた。
アメリカのロングビーチ、シアトル、ドイツのウイリアムズファーベン、スリランカとスペインのバルセロナ、それに日本の高知港と和歌山下津港だ。
外国は知らないが、日本の港の規模に首をかしげる。
この規模だとトランジット扱いだろう。清水港と一緒にしてくれるな!
18年前に交流をはじめたときの青島が2000万トンで清水よりずっと小さかったが、現在では清水が2000万トンで青島は億トン港だ。
「友好している割に青島からの船が少ないですね!」と質問で指摘する。
王副局長が
「清水は少ないですが、青島から日本向けは多いです。コンテナの264万TEUの1/3は日本向けです。東京と横浜は多いですよ」
要するに清水は利用する価値が少ないということらしい。
王さんは続ける。
「山東省は野菜や果物が豊富なので日本へ輸出する。山東省の周りの経済も発展している。日本や韓国からどんどん投資が入っている。地域経済が伸びて輸出する荷物が増えた。地域経済が伸びないとだめです!」きっぱりと言い切る。
そんな状況の中だから、大型バースを作って大型コンテナにも対応していく港にしても将来に展望が開ける。
「港の交流も必要ですが、港以外の貿易の交流を深めていきたいです!」と言う王さんの本音は静岡県に対する厳しい意見として伝わってくる。

トランジットの割合は20%と低いことも、いかに大陸の荷物(大陸の工業生産物)で成り立っている港かがわかる。
港の建設資金は、
@外資による投資や合作  
A株式の発行での調達  
B国から借款
となっている。イギリスの投資によるバース建設やエバーグリーン(台湾)との合作もやっている。
勢いのある青島に押されっぱなしの訪問団であったが、これからの清水や御前崎と背後地経済との連携が大きな課題であることを勉強できた視察であった。

注: TEU→Twenty Foot Equivalent Units 20フィート・コンテナ換算
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