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ヨーロッパ視察研修
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盛だくさんのヨーロッパ研修日記 11/13.14
 西原しげき
11月13日
今日はベルリンからスペインのマドリッドへの移動日。毎日毎日かなりハードな視察日程にも根を上げない我が視察団は、夕べのベルリンフィルハーモニーに、それぞれの思いで酔いしれて(本当によって寝てしまっていたのは誰でしょう)久しぶりの「モーニングコールなし」でゆっくり朝寝を楽しむ。
昨日は、少しできた自由時間で、同僚の中沢さんと森さんで国会議事堂を見学しに行った。ドイツ統一の原点と、これからのこの国の志向を感じ取りたいと思ったからだ。
国会議事堂では、外で40分延々と待った。体の心から冷えてくる寒さに耐えながら大勢の国民が国会に押し寄せている。厳しいボディーチェックをして、大きめなエレベーターに乗って一気に展望階へ出ると、目の前に大きなガラスドームが出現する。国会議事堂のまさに議員の並んでいる議場の天井の上に、大きなガラスドームが乗っかっているのである。そのガラスドームの周囲には、らせん状の歩道がうねうねと、そのまた最上(円頂)まで続いている。ドームの円頂まで登っていくと、なんと議場がはるか数十メートル真下に一望できる。もちろん議場の天井にあたる部分にはガラスでできた天井(強度のほどはわからないがとにかく透明なのだ)があるので、何か落としても多分議員の頭にあたることはないであろうが。そして、天からのエネルギーをすべてドイツに注いでくれといわんばかりに、そのドームの円頂部分から、円錐形のオブジェ、逆向きに議場の天井ガラスを突き抜けて突き刺さっている。これが何の意味があるんだ、と言ってしまえばそれまでかもしれないが、さまざまなものを飲み込みながら、21世紀に突き進んでいくドイツの原動力の一端を感じ取ることができた。
その屋上から見渡せるベルリンは、照明で浮き上がるブランデンブルグ門の壮言さと、夕闇の中で動き回るクレーンの力強さが、ハーモニーをもってミレニアムを祝福しているようであった。
翌朝、私は、森さんと笹沼さん大場さんとタクシーを走らせて、ブレジネフとホーネッカーが「キス」をしている絵が描かれているというまだ残っているベルリンの壁を見に行く。物好きである、男同士の「キス」を見に行くのであるから。
ここは東側であったため、比較的良好に壁が残った。そこで、ベルリン州が世界に公募して、残った壁に芸術家に絵を描いてもらったところだ。
タクシーを降り立つと数秒で「芯まで冷えてくる」。
県庁と市役所の間に壁を作ってしまったようなものだと考えると、なんとひどいものが存在していたんだろうと、日本にいても理解できなかった、この現実に改めて驚いてしまう。
その後、地下鉄に乗ってホテルの近くまで戻る。
デパートは土曜日ということもありこんでいる。お茶のコーナーがかなり立派なので緑茶を探す。ありましたありました。ドンとかまえる紅茶コーナーから遠ざかることおびただしい距離に、棚の下のほうにひっそりと日本語で「お茶」がありました。「伊藤園」や「喜作園」と懐かしいブランド名がある。これが、日のあたるところに出れれば良いのになと思いながらデパートを後にする。
ベルリンからバルセロナへ約2時間半の空の旅。
暖かスペインを期待していると、バルセロナは少し寒い。
ガイドさんの話だと、数日前から寒波が到来して寒くなってきたという。雨も少し降ったそうだ。見上げるとなんとなく不安げな雲行きだ。
ホテルは思いっきりクラシック。ベルと房飾りつきのキーを渡され部屋に入る。
夕食はスペイン時間。午後8時半から始まった食事を10時近くまで楽しみ、その後カルメンのショーへ。
ジプシーの女性が、かすれた声で切々と歌い上げる。足拍子と、手拍子が軽快に入り、次々と踊り子が変わっていく。
しばしカルメンショーに酔いしれてホテルに帰ったのは12時近くであった。街はこれから3時ころにかけて大いに盛り上がるそうだが、こちらは行い正しい日本人、ドイツでのハードスケジュールのせいかすぐに眠りにつく。
11月14日
日曜日のため休み。
これはスペイン事情。私たちの視察団は、今日も今日とて「視察、視察」
といっても、起床はゆっくりで行程は市内観光が中心となる。
歴史のある城郭を抜けていくと、やがてピカソ美術館。
絵画に素養のない向きも、迷路のように入り組んだ、バルセロナマンシオンの中に ピカソの春画を見出したときには、ほっと救われる。
「ピカソも助平な親父だな!」誰かがつぶやく。
偉人になってから助平な絵を描いたからいいんであって、最初からあんな性器丸出しを描いていたらうだつは上がらないだろう。

大聖堂は現在も建設が続く
バルセロナといえばガウディー。
何度も何度も見たり聞いたりしてきた「大聖堂」
100年以上昔から作り始めて、まだこれからできるまで何百年かかるかわからない協会を眺めながら、改めてため息をつく。
「完成するのが問題ではないのです。作りつづけることが大切なのです。だって、数百年作りつづけるということは、それだけ信仰が長く続いたということですから。」説明する陸田さんが説明する。彼は大学を出てから24年間スペインにすんでいるガイド兼翻訳家兼イベント屋さん。
元気な方は370段。上って降りて15分です」の言葉に、中沢、秋鹿、西原の3人組が聖堂の塔に上る。息が切れるが何とか頂上まで上りながら
「こんな、頑固なものを作る西洋の連中にはかなわいな!」にそれぞれ同感。
すべての線が曲線で作られている不思議さに、脱帽、感嘆。
午後は、郊外のモンセラット修道院の見学。
切り立った岩山の上に作られた荘厳な修道院と、それに付随するさまざまな施設に感嘆しながらのんびりした休日を過ごした。
夜は「はなびし」なる和食のレストランで、久しぶりの日本酒を口にした。
日本酒が入ったせいか、視察の半分が終わり、少し日本が恋しくなりました。